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夏に多い脳梗塞。高齢者だけでなく若者にも発生のリスクが。 具体的な対策方法とは

実は、脳梗塞は6月〜8月の暑い時期に起こりやすいのをご存じでしょうか?

大量に汗をかく夏は水分不足になりやすく、脱水により脳梗塞を発症しやすい時期といわれています。

また、多くの人は、脳梗塞の発症は高齢者に多いと思っています。しかし最近の傾向では、食の欧米化に伴い40歳〜50歳代でも、脳梗塞と診断される人が増えているそうです。10歳〜20歳代でもみられるそうで、誰にでも発症する可能性がある病気といえます。

ここでは、「脳梗塞」を発症する原因を知り、何に気をつければ予防できて健やかな毎日を過ごせるのかを解説します。

放ったらかしは危険!脳梗塞の原因とは?

「脳梗塞」には「脳」という文字が入っているので、脳の病気だと思っている人も多いと思いますが、脳梗塞は血管の病気です。血液が固まってできた血栓によって脳内の血管が詰まり、血流が止まるため発症します。

脳卒中と脳梗塞の違いは?

「脳卒中」には、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と、脳の血管が破れる「脳出血」、「くも膜下出血」の3種類があります。これらを総称して「脳卒中」と呼んでいます。

その中の1つ、「脳梗塞」になると、詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなります。そうなると脳の酸素や栄養が不足します。不足した状態が続くと、脳細胞は壊死します。

脳梗塞や脳出血では、初期に発見し、適切な治療を開始すれば後遺症も残らず、リハビリでかなり回復することが多くなってきています。しかし、他の多くの場合は、半身不随が残ったり、寝たきりになったり、あるいは亡くなる危険が高い病気です。

夏に脳梗塞が多い原因は?

脳梗塞は、冬に多いと思われがちですが、実は最も多い季節は夏です。

夏は大量の汗をかくので体内の水分量が減り、脱水になりやすい傾向があります。そのため、血液の粘度が増し、ドロドロになり血栓ができやすい状態となっています。その血栓が脳の血管で詰まると「脳梗塞」になってしまうのです。

対策としては、喉が渇いた時だけではなく、運動や入浴の前後、就寝前など、時間を決めてこまめな水分補給を心がけましょう。

また、高齢者は、喉の渇きを感じにくくなっています。これは、加齢とともに細胞内の水分が減少し、体内の水分不足を調整する機能が低下しているからです。

若年層の脳梗塞の原因とは?

脱水以外に脳梗塞を発症する原因に「動脈硬化」があります。「動脈硬化」とは、血管が硬くなり弾力性が失われた状態をいいます。血管の内腔(ないくう)にプラークがついたり、血栓ができたりして血管が詰まりやすくなっています。自覚症状はほとんどなく、知らぬ間に進行するので、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

動脈硬化の進行は人によって様々ですが、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙の危険因子を持っている人は、進行が早いので注意が必要です。

若年層(40歳〜45歳)における脳梗塞の原因で動脈硬化が占める割合は、20%〜30%です。食の欧米化で、若者層にも生活習慣病が増加傾向にあり、脳梗塞発症の可能性が高まっています。

あれっ!と思ったら病院へ!脳梗塞の初期症状と予防策

脳梗塞は発症すると命が危険にさらされる病気なので、予防と対策が大切です。前兆として現れる症状にも特徴があります。

脳梗塞の前ぶれとなる症状とは?

脳梗塞の前ぶれとして頭痛やめまい、舌のもつれ、手足のしびれが起こることがあります。典型的な症状は、

「手足」・・・片側の手足に力が入らなくなり、感覚がなくなる。箸や茶碗が急に持てなくなった時も注意です。

「顔」・・・顔の半分が動かなくなる、下がる。笑顔の時に片方の口角が下がっていたり、片方の口角からよだれが垂れたり、食べ物がこぼれ落ちたりしていたら注意です。

「言葉」・・・ろれつが回らない、普段通りに話せない場合は注意です。

上の3つの項目のうち、1つでも症状があれば脳梗塞が疑われます。直ぐに病院に行きましょう。

脳梗塞を予防するには

「水分補給」・・・夏に起こる脳梗塞の主な原因は脱水です。時間を決めて、こまめに水分を摂りましょう

「減塩」・・・脳梗塞の最大の原因は高血圧です。高血圧になる要因は塩分の過剰摂取です。出汁やスパイスを料理に使い工夫して減塩しましょう。

「食生活を見直す」・・・肉などの動物性脂肪はコレステロール値を上げますが、植物性脂肪は下げる効果が期待できます。DHAやEPAを多く含むサバ・アジ・イワシなどの青魚は血栓をできにくくし、LDL(悪玉)コレステロールを下げる働きがあるので、積極的に摂りましょう。

その他に、予防に繋がる食品として、野菜や果物、大豆製品を積極的に摂りましょう。また、ウォーキングなどの軽い有酸素運動も血行をよくするので効果的です。

気をつけたい一過性脳虚血発作(TIA)

脳梗塞には、突然発症せず、前兆として出る場合があります。その症状は、2分〜15分、長くても60分くらいで大半の症状は消えてしまいます。

一過性脳虚血発作になった場合、症状が消えたとしても、90日以内に15%〜20%くらいの方が脳梗塞を発症してしまうといいます。

もし、この一過性脳虚血発作になった場合、すぐに病院へ行って治療をおこなえば、脳梗塞の発症を予防できるというデータもあります。

まとめ

夏に発症する脳梗塞は水分不足が原因で起きることが多いです。時間を決めてこまめな水分補給をしっかりおこなえば防げます。

ですが、前兆として「顔」「手足」「言葉」に症状が出た場合、脳梗塞を発症している可能性があります。

「ちょっとしたことで病院に行くのは恥ずかしい」、「なんでもなかったら迷惑だから」などと考えて躊躇していると、取り返しがつかなくなるかもしれません。

健やかに毎日を過ごすために、前兆と思える症状があったら迷わず病院に行って診察を受けましょう。

≪参考文献≫

厚生労働省e-ヘルスネット:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-006.html

ニューロテックメディカル:https://neurotech.jp/medical-information/fear-of-juvenile-stroke/