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水道水を飲んで環境負荷を減らそう!全国に広がる「給水スポット」

安全でおいしい日本の水道水。
「もっと水道水を積極的に飲んで、ペットボトルを買う頻度を減らそう!」と無料の給水スポットを設ける取り組みが、近年急速に普及しています。

全国に増え続ける「給水スポット」

最近よく目にするようになった「給水スポット」。
一度は使ったことがあるという方も多いでしょう。

例えば無印良品やIKEAなどでは、店内に無料給水機が設置されており、誰でも自由に利用することができます。
この他にも、スーパーやデパートなどの一角に、給水スポットを見かけることがあります。

外出時にマイボトルの水を飲み切ってしまっても、給水スポットで水を入れるようにすれば、ペットボトルを買う必要はありません。
給水スポットは、お財布にも地球にも優しいのです。

近年は、さまざまな団体が、給水スポットの設置に力を入れています。
例えば、東京都水道局は、都内900ヶ所以上に冷たい「東京水」を給水できる水飲栓「Tokyowater Drinking Station(通称:DS)」を設置しています。

設置場所は、都営地下鉄線や図書館、スポーツセンターなど。専用アプリ『ARcube』をダウンロードし、DSに貼付されたロゴマークを読み取ることで、PR動画等のコンテンツを見ることもできます。

≪参考文献≫

https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/drinking_station/

無料給水スポットを広げる取り組み

ここでは、給水スポットを広げる取り組みを行う団体とアプリを紹介します。

Refill Japan(リフィルジャパン)

「Refill Japan」は、給水スポットを全国に広げるプロジェクトで、NGO団体「水DO!ネットワーク」(東京都台東区)によって運営されています。
給水スポットでマイボトルに補充(リフィル)する活動を促進することで、ペットボトル(使い捨て容器)の利用を減らし、地球にやさしい街づくりを推進することが目的です。

この「Refill Japan」が2019年5月にキックオフして以来、「給水スポット」という言葉が多くの人々に知られるようになり、現在もさまざまな自治体や企業などが、「Refill Japan」の活動に参加し、各地で活動を展開しています。

「Refill Japan」の以下のページ(「給水/リフィル スポットマップ」)では、日本全国の給水スポット(公共の給水スポット、協力店舗・事業所等の給水スポット、持参容器で購入できる店舗)を調べることができます。

「給水/リフィル スポットマップ」

mymizu(マイミズ)

『mymizu』は、日本全国にある無料給水スポットの場所を探せるアプリです。
ユーザーは公共の給水スポットや、給水できる店舗の場所を、アプリ上のマップでチェックできます。
新たに給水スポットを見つけた際は、自らマップに登録することもできます。

一方、カフェやレストランなどの店舗は、「給水パートナー(加盟店)」として登録することで、来訪客の増加やブランドの宣伝が期待でき、持続可能な街づくりにも貢献できます。
さまざまな業種のお店が加盟しており、その数は2,000店舗以上。
登録料はかからず、浄水器などの設置も不要です。
加盟店は店舗内に「mymizu」の青いステッカーが貼られています。

≪参考文献≫

各自治体の取り組み例

先ほど紹介した東京都の「Tokyowater Drinking Station」をはじめ、各自治体が給水スポットの設置に力を入れています。
そのなかから、2022年3月に開催されたシンポジウム『もっとリフィルを!さらなる脱使い捨て社会へ』(Refill Japan主催)で「給水スポット大賞」を受賞した3つの自治体を紹介します。

「深層地下水」が飲める給水スポット(東京都昭島市)

昭島市の水道水は、都内で唯一「深層地下水」のみを使用。約30年かけて地中に染み込み、土壌がフィルターとなって不純物が取り除かれた地下水には、ミネラル成分も溶け込んでいます。

昭島市は以前から「ミネラルウオーターと変わらないおいしさ」と水質のアピールに力を入れてきましたが、2021年からはプラスチック削減の観点から給水スポットの設置に取り組み始め、市内4ヶ所に給水スポットを設置しました。

河童のキャラクター「ちかっぱー」がデザインされており、給水時も心がホッと和みそうです。

≪参考文献≫

「金鯱水(きんこすい)」で水道水のおいしさを体感(愛知県名古屋市)

水道水に木曽川の水を使用している名古屋市は、水道水のおいしさを体感してもらおうと、2000年代後半から「金鯱水(きんこすい)」という給水器を市内に設置していました。

2020年8月には、市内初となるマイボトル対応型の給水器「名城金鯱水」を、名古屋城の金シャチ横丁に設置。
金シャチの口から冷たい水が給水できるという、名古屋市ならではのデザインです。

この他、東山動植物園には、園の公式キャラクター「ズーボ」をデザインした冷水機「ズーボの金鯱水」が設置されています。

また2022年7月には、名古屋港水族館内のしおかぜ広場に「しおかぜ金鯱水」を、東区の複合施設「オアシス21」に「オアシス金鯱水」が設置されたばかりです。

参考文献

デザイン性に優れた給水機を公園内に(滋賀県大津市)

近年、琵琶湖の湖底で多くのプラスチックごみが見つかっていることなどから、大津市では「マイボトルを持ち歩くライフスタイル」の取り組みを開始。

2021年9月には、琵琶湖畔のなぎさ公園内に給水スポットを設置しました。デザイン性が高く、多くの公園利用者に利用されています。

大津市では、以下のようなプロモーション動画を積極的に作成することで、環境に配慮した情報発信も意欲的に行っています。

参考文献(プロモーション動画)

まとめ

自動販売機でボタンを押せば、あるいはコンビニやスーパーに行けば、すぐにペットボトル飲料が手に入る現代社会。
ペットボトルは確かに便利ではありますが、購入するたびにプラスチックごみが発生します。

せっかく給水スポットが増えてきたのですから、ぜひ活用していきましょう!
地球に優しく節約にもなりますし、自分好みのオシャレなマイボトルを持ち歩けば、気持ちも明るくなりそうですね。