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水道水とミネラルウォーターの違いは?天然水とは?飲み水はどこから来るのか、原水の種類について解説

私たちが普段飲んでいる、水道水やミネラルウォーター。
これらの水のもとになっている「原水」は大きく分けて「地表水」と「地下水」に分けられます。
また、地表水でも地下水でもない「伏流水」と呼ばれる水もあります。
今回はこうした水の種類について、詳しく見ていきましょう。

水道水の主な原水は「地表水」

私たちが日々口にしている飲み水は、原水(浄水前の水の総称)を処理してつくられています。日本の水道水の場合、約7割が地表水、残りの約3割が地下水です。

<地表水と地下水>
地表水…地表を流れる河川やダム、湖などの水
地下水…地層の隙間を流れている水

これらの原水(地表水&地下水)は浄水処理場に集められ、沈殿やろ過によって不純物を除去した後、塩素を注入して殺菌消毒されます。こうして処理された水道水が、配水管を通って私たちの各家庭へ運ばれているわけです。

なお、日本の水道水の多くは「軟水」です。軟水か硬水かは、水に含まれるミネラル(マグネシウムとカルシウム)によって決まります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

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ミネラルウォーターの原水は「地下水」

水道水の原水の大半が「地表水」であるのに対し、スーパーなどで市販されているミネラルウォーター類は、主に「地下水」を原水としています。地下水とひとくちにいっても、採水地の違いによって、さまざまな種類があります。

<ミネラルウォーター類に使われる主な原水の種類>
1.浅井戸水…深さ30m未満の井戸から取水した地下水
2.深井戸水…深さ30m以上の井戸から取水した地下水
3.湧水…自噴している地下水
4.鉱泉水…自噴している地下水のうち、水温が25℃未満のもの
5.温泉水…自噴している地下水のうち、水温が25℃以上のもの
6.伏流水…河川水等の地表水が、周辺の砂礫層などに浸透して流れる水
7.鉱水…取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水

※砂礫(されき)層…荒い砂を含んだ層

上記のうち、6つめの伏流水以外の水はすべて「地下水」です(伏流水を地下水に含めることもありますが、正確には伏流水と地下水は区別されます)。

ミネラルウォーター類には4種類ある

「食品衛生法」において、ミネラルウォーター類は「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義されており、原水の種類によって以下の4種類に区別されています。

<ミネラルウォーター類の種類>
①ナチュラルウォーター…特定の水源から採水された地下水を原水としたもの
②ナチュラルミネラルウォーター…ナチュラルウォーターのうち、鉱泉水や鉱水などを原水とし、ミネラル成分が溶け込んでいるもの
③ミネラルウォーター…何種類かのナチュラルミネラルウォーターを混合したもの、またはナチュラルミネラルウォーターのミネラル分を人工的に調整したもの
④ボトルドウォーター…飲用できる水(水道水、蒸留水、河川の表流水などで飲用に適しているもの)

「天然水」に当てはまるのは①か②ということになります。

ちなみに、水道水には「水道法」が適用されますが、ミネラルウォーター類には「食品衛生法」が適用されます。ただし水道水を容器につめて販売する場合は「ボトルドウォーター」に分類されるため、「食品衛生法」が適用されます。

≪参考文献≫

https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/topic/12.html

http://www.j-sda.or.jp/manufacturing/regulations_and_guidelines02_mineralwater.php

地表水でも地下水でもない「伏流水」って?

「ミネラルウォーター類に使われる主な原水の種類」の6つめにでてきた「伏流水」という言葉、なじみのない方も多いのではないでしょうか?

伏流水は「地下水の一種」とされることもありますが、正確には地下水とは別のものです。
地表水でも地下水でもない、言い換えれば、“地下水と地表水の中間にある水”といってもいいかもしれませんね。

伏流水は、砂礫層を流れる際に水中の不純物等がろ過されていくため、地表水やほかの地下水よりも水質が良好で、濁りが少ないといった特長があります。日本は国土全体が山岳に多く恵まれているため、伏流水が存在しやすい環境であるといえるでしょう。

その水質の良さから、伏流水は料理に使われたり、日本酒の仕込み水として利用されることも。酒蔵には伏流水をくみ上げるための井戸が掘られていることもあります。

まとめ

普段、原水について考える機会はあまりないかもしれませんが「自分が口にしているものは、どこから来ているんだろう?」と意識することは、地球環境を考えることにもつながるのではないでしょうか。どんな水の種類があるのか、あらためて調べてみると面白いかもしれません。