今から約900年前のドイツに、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンという修道女がいました。
ヨーロッパでは「自然療法の母」と呼ばれており、かのルドルフ・シュタイナーなど多くの人々に影響を与えてきた人物です。
この記事では、ヒルデガルト療法のベースとなっている「四体液説」やこれに基づく食養生を解説します。
後半では、彼女の大切にしていた思想から、その世界観を垣間見てみましょう。
ヒルデガルトの食養生
ヒルデガルトの自然療法(ヒルデガルト療法)は、修道院医学とスピリチュアルな要素を組み合わせてできたものであり、自らの自然治癒力を高めるホリスティックな療法です。アーユルヴェーダや漢方にも通ずるところがあるといえるでしょう。
なかでも、食は特に大切な要素。ヒルデガルトは食養生に関するさまざまな知見を残しており、それは現代を生きる私たちにも大きく役立つものばかりです。
ちなみに、医学の父・古代ギリシャのヒポクラテスも「汝の食事を薬とせよ」という言葉を残しており、「食べ物でなおせない病気はない」とまで言っています。
なかでも、食は特に大切な要素。ヒルデガルトは食養生に関するさまざまな知見を残しており、それは現代を生きる私たちにも大きく役立つものばかりです。
ちなみに、医学の父・古代ギリシャのヒポクラテスも「汝の食事を薬とせよ」という言葉を残しており、「食べ物でなおせない病気はない」とまで言っています。
「四体液説」〜体液からみる4つの体質〜
ヒルデガルト療法のベースになっているのが、古代インドやギリシャから伝わる「四体液説」です。四体液説では、宇宙が4つの元素「空気、火、土、水」で構成され、私たち人間もこの4元素の影響を受けて、4つの体液「血液、黄胆汁、黒胆汁、粘液」で構成されていると考えます。そしてどの体液が優位かによって、人間を4つの体質に分類しています。
それぞれの体質は「多血質」「胆汁質」「黒胆汁質」「粘液質」と呼ばれます。以下のサイトで、ご自身の体質をチェックしてみましょう。
①多血質(温・湿)
影響を受けやすい元素:空気
優位な体液:血液
性質:明るく社交的で、好奇心旺盛。気分屋で関心が移ろいやすい。
体型:どちらかというと細身。骨はしっかり。
②胆汁質(温・乾)
影響を受けやすい元素:火
優位な体液:黄胆汁
性質:リーダータイプ。積極的で意志が強いが、頑固で短気な一面も。
体型:骨太でがっしり。
③黒胆汁質(冷・乾)
影響を受けやすい元素:土
優位な体液:黒胆汁
性質:繊細で、集中力がある。ときに神経質になりすぎてしまう。
体型:華奢で色白。
④粘液質(冷・湿)
影響を受けやすい元素:水
優位な体液:粘液
性質:ゆっくりで静か、コツコツタイプ。物事がすぐ面倒になってしまう一面も。
体型:ぽっちゃりしていて、太りやすい。
<4体液気質診断 詳細ページ>
それぞれの体質は「多血質」「胆汁質」「黒胆汁質」「粘液質」と呼ばれます。以下のサイトで、ご自身の体質をチェックしてみましょう。
①多血質(温・湿)
影響を受けやすい元素:空気
優位な体液:血液
性質:明るく社交的で、好奇心旺盛。気分屋で関心が移ろいやすい。
体型:どちらかというと細身。骨はしっかり。
②胆汁質(温・乾)
影響を受けやすい元素:火
優位な体液:黄胆汁
性質:リーダータイプ。積極的で意志が強いが、頑固で短気な一面も。
体型:骨太でがっしり。
③黒胆汁質(冷・乾)
影響を受けやすい元素:土
優位な体液:黒胆汁
性質:繊細で、集中力がある。ときに神経質になりすぎてしまう。
体型:華奢で色白。
④粘液質(冷・湿)
影響を受けやすい元素:水
優位な体液:粘液
性質:ゆっくりで静か、コツコツタイプ。物事がすぐ面倒になってしまう一面も。
体型:ぽっちゃりしていて、太りやすい。
<4体液気質診断 詳細ページ>
https://www.omochabako.co.jp/sonnentor/images/wold/hirdegart_chart_n.pdf
体質別の食養生
以下は、体質ごとにおすすめの食養生(食事の工夫)です。ご自身の体質と共に、チェックしてみてください。
①多血質(温・湿)
蒸しもの、茹でものがおすすめ。肉や乳製品は控えめに。
おすすめの食材:緑茶、きび、海藻類、ごま
ヒルデガルト推奨ハーブ:フェンネル、ディンケル小麦
②胆汁質(温・乾)
煮込み料理やスープなど、水気が多くて温かい食べ物を意識しましょう。
おすすめの食材:酢、緑黄色野菜、大豆製品、玄米
ヒルデガルト推奨ハーブ:ラベンダー、マリアザミ
③黒胆汁質(冷・乾)
グリルや、スパイスを使った料理など、体を温める食事を意識しましょう。
おすすめの食材:栗、長芋、くるみ、レンコン、根菜類
ヒルデガルト推奨ハーブ:バラ、メリッサ
④粘液質(冷・湿)
水分のとりすぎに気をつけ、乳製品は控えめに。煮込み料理やフライ、ローストなどがおすすめ。
おすすめの食材:煮た野菜、梅干し、かぼちゃ、豆類、シナモン、生姜
ヒルデガルト推奨ハーブ:ナツメグ、ペッパー
①多血質(温・湿)
蒸しもの、茹でものがおすすめ。肉や乳製品は控えめに。
おすすめの食材:緑茶、きび、海藻類、ごま
ヒルデガルト推奨ハーブ:フェンネル、ディンケル小麦
②胆汁質(温・乾)
煮込み料理やスープなど、水気が多くて温かい食べ物を意識しましょう。
おすすめの食材:酢、緑黄色野菜、大豆製品、玄米
ヒルデガルト推奨ハーブ:ラベンダー、マリアザミ
③黒胆汁質(冷・乾)
グリルや、スパイスを使った料理など、体を温める食事を意識しましょう。
おすすめの食材:栗、長芋、くるみ、レンコン、根菜類
ヒルデガルト推奨ハーブ:バラ、メリッサ
④粘液質(冷・湿)
水分のとりすぎに気をつけ、乳製品は控えめに。煮込み料理やフライ、ローストなどがおすすめ。
おすすめの食材:煮た野菜、梅干し、かぼちゃ、豆類、シナモン、生姜
ヒルデガルト推奨ハーブ:ナツメグ、ペッパー
大切なのは心身共に“中庸”であること
健康であるということは、体液バランスがとれているということ。すなわち体が中庸であるということです。体液バランスがくずれてしまうと病気になります。
とはいえ、同じ人であっても、季節や年齢、ライフスタイルに応じて体液バランスは変化します。四体液質はひとつの“目安”とし、そのときの自分の感覚に従い、ゆるやかに捉えてみてください。
また、私たち一人ひとりはまったく違う存在です。体質から性格、生活環境、これまでの経験、生まれ持った素質まで、何もかもが違うわけです。自分と違う人を受け入れ、人と違う自分を受け入れる。こうした中庸なマインドは、体のバランスをとることと同じくらい大切なことなのです。ヒルデガルトの思想には、心身の中庸を保つことの大切さが随所に見られます。
とはいえ、同じ人であっても、季節や年齢、ライフスタイルに応じて体液バランスは変化します。四体液質はひとつの“目安”とし、そのときの自分の感覚に従い、ゆるやかに捉えてみてください。
また、私たち一人ひとりはまったく違う存在です。体質から性格、生活環境、これまでの経験、生まれ持った素質まで、何もかもが違うわけです。自分と違う人を受け入れ、人と違う自分を受け入れる。こうした中庸なマインドは、体のバランスをとることと同じくらい大切なことなのです。ヒルデガルトの思想には、心身の中庸を保つことの大切さが随所に見られます。
ファスティングとは、心の休息のこと
近年、日本でもメジャーになった「ファスティング」。断食と同じ意味で使われることも多いため、ストイックなイメージがある方もいるでしょう。
これに対し、ヒルデガルトはファスティングを「胃腸や心の休息」としています。体、心、魂、すべてに働きかけるものとし、食に限定していないのです。例えば、寄付をする、道に落ちているゴミを拾ってみる、ポジティブで明るい言葉を言うようにする、といったことも、ヒルデガルトの視点では立派なファスティングになります。
体へのファスティングも、断食のような厳しいものとはしていません。食べすぎたなと思ったら、ローフフードやナチュラルをとり入れてみたり、嗜好品(カフェインやお酒、タバコ、甘いものなど)をやめてみたり。
決して無理はせず、自分の心地よさを大切にするというファスティングに対する見解からも、ヒルデガルトの思想を感じとれるでしょう。
これに対し、ヒルデガルトはファスティングを「胃腸や心の休息」としています。体、心、魂、すべてに働きかけるものとし、食に限定していないのです。例えば、寄付をする、道に落ちているゴミを拾ってみる、ポジティブで明るい言葉を言うようにする、といったことも、ヒルデガルトの視点では立派なファスティングになります。
体へのファスティングも、断食のような厳しいものとはしていません。食べすぎたなと思ったら、ローフフードやナチュラルをとり入れてみたり、嗜好品(カフェインやお酒、タバコ、甘いものなど)をやめてみたり。
決して無理はせず、自分の心地よさを大切にするというファスティングに対する見解からも、ヒルデガルトの思想を感じとれるでしょう。
まとめ
自然のなかに、私たちが自らを癒すための力を数多く見出したヒルデガルト。その眼差しは、優しさと愛に満ちています。ヒルデガルト療法には日々を幸せに生きる知恵がつまっているので、興味のある方はぜひ書籍などを読んでみてください。
体液の質は日頃摂取する水にも左右されると考えられます。良質な水を飲むよう心がけ、心身共にバランスのとれた毎日を送りましょう。
<参考文献>
・『聖ヒルデガルトのヒーリングレシピ』(キラジェンヌ社)
・『家庭でできるドイツ自然療法』(BABジャパン)
体液の質は日頃摂取する水にも左右されると考えられます。良質な水を飲むよう心がけ、心身共にバランスのとれた毎日を送りましょう。
<参考文献>
・『聖ヒルデガルトのヒーリングレシピ』(キラジェンヌ社)
・『家庭でできるドイツ自然療法』(BABジャパン)