頭髪の色は、メラニン色素の量によって決められています。
黒髪にはメラニン色素が多く含まれていますが、白髪にはメラニン色素がほとんど含まれていません。
メラノサイトという色素形成細胞でつくられたメラニン色素が、髪をつくる毛母細胞へと届けられることで、頭髪にメラニン色素が含まれて黒髪になります。
そのため、メラノサイトの機能が低下してメラニン色素がつくられなくなったり、毛母細胞にメラニン色素を届けられなくなったりすると白髪になってしまいます。

一番の原因は加齢によるものです。
個人差がありますが、男女ともに35歳前後から白髪が気になり始める方が多くなっています。
その他にも、生活習慣やストレス、頭皮のケア方法が影響するといわれています。
遺伝も原因の一つとされていますが、医学的にはっきりと解明されていません。
両親が白髪の場合、白髪になりやすのではないかと考えられています。
「白髪は抜くと増える」といわれることがありますが、これは迷信で増えることはありません。

人によって、白髪から黒髪へと戻る場合があります。
ストレスなどによって色素形成細胞の機能が低下している場合、原因を取り除くことで機能低下を改善し、頭髪のメラニン色素を増やすことができます。
けれど、白髪になる原因にはさまざまなものがあり遺伝も関係しているため、ケアをしても黒髪に戻らない場合も少なくありません。

メラノサイトの機能低下を防ぐためにも、頭皮へのダメージを防ぎましょう。
洗髪をするときに爪を立てない、刺激の強い整髪料やカラーリング剤の使用を避けるなどして頭皮の健康を守りましょう。
丁寧に洗髪をして、頭皮を清潔に保つことも大切です。
頭髪を抜く行為も頭皮にダメージを与えてしまうため、白髪を見つけても抜かないようにしましょう。
数本の白髪が気になる場合には、根本からカットするか、ヘアマスカラで隠すのがおすすめです。
また、水道水に含まれている残留塩素が頭皮に悪影響を与えることもあるため、注意してください。

頭皮の老化を遅らせるには、頭皮の酸化を防ぐことが大切です。
そのためにも、原因となる活性酸素が増えるのを抑えましょう。
活性酸素は紫外線によって増えてしまうため、帽子や日傘、頭皮や頭髪に使用できる日焼け止めスプレーなどを活用して、紫外線を遮ってください。
ストレスも、活性酸素を増やす原因となるため注意しましょう。
活性酸素を減らすには、飲み水や洗髪に抗酸化作用のある甘露乃水などの活性水素水を使用するのがおすすめです。

頭皮の血行を促して、頭皮の細胞に酸素と栄養をしっかりと届けることが大切です。
頭皮が硬くなると血流が悪くなってしまうため、マッサージをして頭皮を柔らかくしましょう。
頭皮に程よい刺激を与えてくれる、シャンプーブラシやパドルブラシを使用するのもおすすめです。
頭皮の血行を促したり、頭皮の乾燥を防いだりするローションも販売されています。
また、体の水分が不足すると血流が滞りやすくなるため、十分な水分補給を心がけましょう。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる働きがあるため、禁煙することをおすすめします。

頭皮はタンパク質でできているため、鶏胸肉や卵、豆腐やチーズなどに含まれているタンパク質をしっかりとりましょう。
タンパク質の一つであるチロシンは、メラニン色素の原料になるといわれています。
牛肉や牡蛎、カシューナッツなどに含まれているミネラルは、頭髪にメラニン色素を届けるのに欠かせません。
豚肉や海藻に含まれるビタミンBには頭皮の新陳代謝を促す働きが、赤ピーマンやイチゴに含まれるビタミンCには細胞を活性化させる働きがあるため、ビタミン類が不足しないようにしましょう。
ポリフェノールには抗酸化作用があるため、ブルーベリーやチョコレートなどをとるのもおすすめです。

頭皮の健康を保つためにも、生活リズムを整えましょう。
生活リズムが乱れて質の高い睡眠が不足すると、頭皮の新陳代謝が低下したり、血流が悪くなったりしてしまいます。
起床と就寝を毎日同じ時間にする、栄養バランスの良い食事を摂る、日中に適度な運動をするなどして、生活リズムを整えましょう。

ストレスは頭皮に悪影響を与えてしまうため、できるだけストレスをためないようしましょう。
ストレス解消には適度な運動が効果的です。
ウォーキングやストレッチなど、体を動かす機会を増やしましょう。
読書や音楽鑑賞をしてゆっくりと過ごしたり、リラックスタイムに腹式呼吸をしたりするのもおすすめです。
悩みや愚痴を家族や友人に聞いてもらうのも、ストレス発散になるといわれています。